COLUMN / CASEコラム・導入事例

2025.08.27

  • コラム

インタビュー調査とは?

顧客の深層心理を読み解き、マーケティングを成功に導く

  1. インタビュー調査とは?目的と概要
  2. インタビュー調査の主な種類
  3. 実施の流れとポイント
  4. 対象者の選定
  5. 質問設計
  6. インタビュー調査で得られる情報の深さ
  7. RJCリサーチ(impact mirAIグループ)の実例紹介:インタビュー調査の活用ケース
  8. 自社内で実施する場合の注意点
  9. 専門調査会社に依頼するメリット・費用感
  10. まとめ:インタビュー調査の力をマーケティングに活かす
  11. よくある質問(FAQ)

インタビュー調査とは?目的と概要

インタビュー調査とは、対象者と直接対話することで、数値データでは見えない深層心理や行動背景を探る調査手法です。アンケート調査のような定量調査とは異なり、「なぜそう思うのか?」「なぜそう行動するのか?」という「Why」に焦点を当て、顧客インサイト(顧客自身も気づいていない本音)を発見することを目的とします。

インタビュー調査は、以下のようなマーケティング課題の解決に役立ちます。

  • 新商品開発: 潜在ニーズを掘り起こし、顧客が本当に求める製品・サービスを開発
  • 既存製品の改善: 顧客の不満点や改善点を把握し、製品の改良や改善に繋げる
  • マーケティング戦略の立案: 顧客の購買行動や情報収集プロセスを理解し、効果的なプロモーション施策を計画
  • ブランドイメージの向上: 顧客がブランドに抱くイメージや価値観を把握し、ブランド戦略に反映
  • 顧客満足度向上: 顧客の期待や要望を把握し、顧客体験を向上させる 

 

インタビュー調査の主な種類

インタビュー調査は、対象者数や実施方法によっていくつかの種類に分けられます。代表的なものとして、以下の3つがあります。 

デプスインタビュー(個別インタビュー)

デプスインタビューは、調査員が対象者と1対1でじっくりと対話する形式です。1人あたり1〜2時間程度の時間をかけ、対象者の経験、意見、感情を深く掘り下げていきます。

  • メリット: 個人の深層心理を探求しやすく、自由な意見やアイデアを引き出しやすい。
  • デメリット: 多数の対象者への実施が難しく、時間とコストがかかる。
  • 活用シーン: 新規市場参入時のニーズ探索、商品コンセプトの深掘り、ブランドイメージ調査など。 

 

グループインタビュー

グループインタビューは、6〜8人程度の対象者を集め、座談会形式で意見交換を行う形式です。調査員はモデレーターとして、議論を円滑に進め、特定のテーマについて参加者の意見を引き出します。 

  • メリット: 参加者同士の相互作用により、新たなアイデアや視点が生まれる可能性がある。 
  • デメリット: 個人の意見が埋もれてしまう可能性や、特定の参加者の意見に偏る可能性がある。 
  • 活用シーン: 新商品アイデアの創出、広告クリエイティブの評価、サービスの改善点洗い出しなど。 

 

エスノグラフィー

エスノグラフィーとは、調査員が対象者の生活環境に入り込み、行動を観察することで、自然な姿を理解する調査手法です。自宅訪問、店舗での行動観察、イベントへの参加などを通して、対象者の日常や文化、価値観を深く理解します。

  • メリット: 対象者の無意識的な行動や習慣を把握でき、潜在的なニーズを発見しやすい。
  • デメリット: 時間と労力がかかり、倫理的な配慮が必要となる。
  • 活用シーン: 製品の使用状況調査、購買行動の観察、生活習慣の分析など。

 

調査の種類メリットデメリット活用シーン
デプスインタビュー個人の深層心理を探求しやすい、自由な意見が出やすい多数の対象者への実施が難しい、時間とコストがかかる新規市場参入時のニーズ探索、商品コンセプトの深掘り、ブランドイメージ調査など
グループインタビュー参加者同士の相互作用で新たなアイデアが生まれる可能性個人の意見が埋もれる可能性、特定の参加者の意見に偏る可能性新商品アイデアの創出、広告クリエイティブの評価、サービスの改善点洗い出しなど
エスノグラフィー無意識的な行動や習慣を把握しやすい、潜在的なニーズを発見しやすい時間と労力がかかる、倫理的な配慮が必要製品の使用状況調査、購買行動の観察、生活習慣の分析など

 

実施の流れとポイント

インタビュー調査は、以下のステップで実施します。 

  1. STEP1

    調査目的の明確化

    何を知りたいのか、どのような課題を解決したいのかを明確にする。

  1. STEP2

    対象者の選定

    調査目的に合致する対象者を、属性(年齢、性別、職業など)やライフスタイルなどを考慮して選定する。

  1. STEP3

    質問設計

    対象者から必要な情報を引き出すための質問項目を作成する。自由回答形式の質問を中心に、深掘りできる質問も用意する。

  1. STEP4

    インタビューの実施

    対象者に質問を行い、回答を記録する。表情や態度、言葉遣いなども観察し、記録する。

  1. STEP5

    データの分析

    収集したデータを分析し、傾向やパターンを把握する。必要に応じて、質的データ分析の手法を用いる。

  1. STEP6

    レポート作成

    分析結果をまとめ、報告書を作成する。調査結果から得られたインサイトや提言を盛り込む。

対象者の選定

対象者の選定は、インタビュー調査の成否を左右する重要な要素です。調査目的に合致する対象者を選定するために、以下の点を考慮しましょう。 

  • 属性: 年齢、性別、職業、居住地、家族構成など 
  • 経験: 製品・サービスの利用経験、購買経験、関連する知識・スキルなど 
  • ライフスタイル: 価値観、趣味、嗜好、情報収集方法など 
  • 心理特性: 性格、価値観、動機、ニーズなど 

ペルソナを設定し、具体的な人物像を描くことで、対象者選定の精度を高めることができます。 

 

質問設計

インタビュー調査では、対象者から本音を引き出すために、質問設計が重要となります。以下のポイントを踏まえて、効果的な質問を作成しましょう。 

  • オープンクエスチョン: 「はい」「いいえ」で答えられない自由回答形式の質問を多く取り入れる。 
  • 深掘り質問: 回答の背後にある理由や感情を掘り下げる質問を用意する。(例:「なぜそう思うのですか?」「具体的にどのような時にそう感じますか?」) 
  • 具体的な質問: 抽象的な質問ではなく、具体的な状況や行動について尋ねる。(例:「最近購入した商品について教えてください」「普段どのように情報収集していますか?」) 
  • 中立的な質問: 誘導的な質問や、特定の回答を期待するような質問は避ける。 
  • 順番: 質問の順番を工夫し、対象者が話しやすいように配慮する。アイスブレイクとなる簡単な質問から始め、徐々に核心に迫る質問へと進める。 

質問例: 

質問例良い例
商品について「この商品を初めて知ったきっかけは何ですか?」 
購入について「購入する際に、最も重視する点は何ですか?」 
利用について「この商品をどのような時に利用しますか?」 
満足度について「この商品に満足している点は何ですか?不満な点はありますか?」 
改善点について「この商品がもっと良くなるためには、どのような点が変われば良いと思いますか?」 

 

実施と分析

インタビュー調査では、対象者の発言だけでなく、表情、態度、声のトーンなども重要な情報源となります。 

  • 記録: ICレコーダーやビデオカメラで録音・録画し、詳細な記録を残す。 
  • 観察: 対象者の表情や態度、言葉遣いなどを注意深く観察する。 
  • 傾聴: 対象者の話を注意深く聞き、共感する姿勢を示す。 
  • 深掘り: 必要に応じて、質問を深掘りし、回答の背景にある理由や感情を探る。 

収集したデータは、質的データ分析の手法を用いて分析します。 

  • テキストマイニング: テキストデータを分析し、キーワードや頻出語句を抽出する。 
  • KJ法: 情報をグループ化し、構造化する。 
  • 内容分析: テキストデータをカテゴリー化し、出現頻度を分析する。 

 

インタビュー調査で得られる情報の深さ

インタビュー調査は、アンケート調査などの定量調査では得られない、深くてリアルな情報を得ることができます。 

  • 潜在ニーズの発見: 顧客自身も気づいていないニーズや不満を発見できる。 
  • 行動の背景理解: 顧客がなぜそのような行動をとるのか、その理由や動機を深く理解できる。 
  • 感情の把握: 顧客が製品やサービスに対して抱く感情や印象を、言葉や表情から読み取れる。 
  • 文脈の理解: 顧客の生活環境や文化、価値観を理解することで、より深いインサイトを得られる。 
  • 新たなアイデアの創出: 顧客との対話を通して、新たな製品やサービス、マーケティング施策のアイデアが生まれる。 

 

RJCリサーチ(impact mirAIグループ)の実例紹介:インタビュー調査の活用ケース

impact mirAIグループ、RJCリサーチでは、インタビュー調査を通じて、お客様の課題解決を支援しています。ここでは、具体的な活用事例をご紹介します。

  • 製品コンセプト調査: 新製品のコンセプトについて、ユーザーの意見を深く掘り下げることで、潜在的なニーズを明らかにします。
  • ユーザー(現利用者/離反者)の意識調査: 製品やサービスに対する満足度や不満点を把握し、改善点を見つけ出します。
  • サービス開発のための仮説検証調査: 新しいサービスアイデアについて、ユーザーの反応を事前に確認し、実現可能性を検証します。
  • ユーザーの利用実態調査: 製品やサービスが実際にどのように利用されているのかを把握し、改善点や新たな活用方法を見つけ出します。
  • 広告デザイン・コピー調査: 広告クリエイティブに対するユーザーの反応を調査し、より効果的な広告表現を開発します。

 

過去の調査実績:

  • カルチャー・クラブ会員の意識調査
  • ファッションブランド利用者経験者の意識調査
  • 若年層を対象にした、ファミリーレストランの新業態・新メニュー受容性調査
  • 除草剤利用意向者のパッケージ、コンセプト評価

 

自社内で実施する場合の注意点

自社内でインタビュー調査を実施する場合、以下の点に注意が必要です。 

  • 客観性の確保: 調査員の主観やバイアスが入り込まないように、客観的な視点を保つ。 
  • 倫理的配慮: 対象者のプライバシーを尊重し、個人情報の取り扱いには十分注意する。 
  • スキルと経験: インタビューのスキルやデータ分析の経験を持つ担当者を配置する。 
  • 時間とリソース: 調査の計画から実施、分析まで、十分な時間とリソースを確保する。 
  • 記録と分析: インタビューの内容を正確に記録し、適切な分析手法を用いる。 

 

専門調査会社に依頼するメリット・費用感

専門調査会社にインタビュー調査を依頼するメリットは、以下の通りです。 

  • 専門知識と経験: 豊富な経験と専門知識を持つリサーチャーが、最適な調査設計と分析を提供。 
  • 客観性の確保: 第三者機関として、客観的なデータ収集と分析が可能。 
  • 効率的な調査: 効率的な調査体制とノウハウにより、短期間で高品質なデータを提供。 
  • 高度な分析: 専門的な分析ツールや手法を用いて、より深いインサイトを提供。 

 

impact mirAIグループ、RJCリサーチでは、経験豊富な専属モデレーターが、お客様の課題に合わせて最適な調査設計をご提案します。また、グループインタビューの結果に基づいたコンサルティングサービスもご提供可能です。

費用感は、調査の種類、対象者数、調査期間などによって大きく異なりますが、お気軽にお問い合わせください。


費用の内訳: 

  • 調査企画費: 調査設計、質問票作成など 
  • 対象者リクルート費: 対象者の募集、選定など 
  • インタビュー実施費: インタビュー実施、記録など 
  • データ分析費: データ分析、レポート作成など 

 

まとめ:インタビュー調査の力をマーケティングに活かす

インタビュー調査は、顧客の深層心理を理解し、マーケティング戦略を成功に導くための強力なツールです。

この記事でご紹介した、インタビュー調査の種類、実施の流れ、成功のポイントを参考に、ぜひ貴社のマーケティング活動にインタビュー調査を取り入れてみてください。

より効果的なインタビュー調査を実施するために、専門調査会社の活用も検討してみましょう。impact mirAIグループ、RJCリサーチでは、お客様の課題に合わせて最適な調査をご提案します。

 

よくある質問(FAQ)

 インタビュー調査にはどのような種類がありますか?

主に、デプスインタビュー(個別インタビュー)、グループインタビュー、エスノグラフィーの3種類があります。それぞれ、対象者数や調査方法が異なります。

インタビュー調査を成功させるためのポイントは?

調査目的の明確化、適切な対象者の選定、効果的な質問設計が重要です。また、インタビュー実施時の記録と観察、データ分析も欠かせません。

 調査結果の分析方法がわからない 

テキストマイニング、KJ法、内容分析など、質的データ分析の手法を用いると効果的です。専門的な知識やスキルが必要となるため、調査会社に依頼することも検討しましょう。 

impact mirAIにインタビュー調査を依頼するメリットは?

impact mirAIグループ、RJCリサーチでは、経験豊富な専属モデレーターが、お客様の課題に合わせて最適な調査設計をご提案します。また、グループインタビューの結果に基づいたコンサルティングサービスもご提供可能です。

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