COLUMN / CASEコラム・導入事例
約9割がセルフオーダー利用経験あり|世代別ニーズから見るフードサービスDX調査
- セルフオーダーは「人とデジタルの役割分担」を再設計するツール
- 約9割が「セルフオーダーを利用したことがある」時代に
- セルフオーダー利用率は「チェーン店」「ファーストフード」で最も高い
- 世代別の「重視ポイント」は明確に異なる
- セルフオーダー導入のメリット
- 実は大きい「心理的メリット」
- セルフオーダーは「効率化ツール」ではなく「満足度向上ツール」へ
- フードサービスDXの未来と導入成功の鍵
- フードサービスDXの本質
- 今回の調査(RJCリサーチ)からの示唆
- セルフオーダー導入を成功させる「戦略的DX」の要点
- まとめ
セルフオーダーは「人とデジタルの役割分担」を再設計するツール
フードサービス業界では、人手不足やオペレーションの複雑化により、「効率化」と「顧客満足の維持」 を両立させる施策が求められています。その中で急速に広がっているのが セルフオーダーシステム を中心としたフードサービスDXです。
2025年10月16日に発表されたインパクトホールディングスの調査では、セルフオーダーを利用したことがある人は全体の約9割 にのぼり、すでに「当たり前の存在」になりつつあることが示されました。
本コラムでは、その調査内容をもとに、
世代別の違い・導入店舗が得られるメリット・導入成功のポイント を深堀りし、フードサービスDXの最新トレンドをわかりやすく解説していきます。
約9割が「セルフオーダーを利用したことがある」時代に
調査結果で印象的なのは、10〜70代の幅広い年代でセルフオーダーの利用経験が非常に高いことです。
特に10代・20代では「ほぼ100%」が利用した経験があると回答しており、すでに“飲食店の標準インフラ”となっています。
逆に、50〜70代でも利用経験者が多数を占め、導入店舗の増加によりユーザー側も習慣化していることがわかります。
セルフオーダー利用率は「チェーン店」「ファーストフード」で最も高い
調査では、
- 焼肉店
- 回転寿司
- ファーストフード
などでの利用率が非常に高いことが明らかになりました。
特に回転寿司ではタッチパネル文化が早い段階で定着したため、セルフオーダーへの抵抗感はほぼありません。
また、最近ではファミリーレストランやディナーレストランでも急速に広がっており、“外食の標準UX”として期待されています。
世代別の「重視ポイント」は明確に異なる
10代〜40代:スピード・効率・UIの直感性
- レジ待ちをしたくない
- 注文ミスが減る
- 使いづらいと逆にストレス
若い世代ほど「サクサク操作できること」を重視する傾向があります。
50代〜70代:サポートの安心感・視認性
- ボタンが見やすい
- 案内が丁寧
- わかりにくいと店員を呼びたくなる
年齢を重ねるごとに「使いこなせる安心感」が重要になります。
セルフオーダー導入のメリット
調査結果と導入企業の声から浮かぶメリットは次の通りです。
-
POINT1
注文ミスの削減
注文内容が可視化されることでヒューマンエラー(人為的ミス)が激減
-
POINT2
回転率の向上
お客様のタイミングでいつでも注文できるため、注文の機会ロスが激減し、料理提供までのタイムラグも短縮
-
POINT3
スタッフ不足の改善
注文・会計業務の負担が減り、接客品質の向上につながる
-
POINT4
客単価アップ
お店のキャンペーンに応じた「おすすめ」などの販促メニューの訴求力が向上し、「券売機」では難しかった追加注文の増加などで売上・客単価アップに貢献する
-
POINT5.
顧客のストレス軽減
ウェイティングシステムとセルフオーダーの組み合わせは顧客体験を大きく向上。「スタッフを呼ばなくても自分のペースで注文できる」「券売機は後ろを気にしてしまうが、セルフオーダーは席でゆっくり選べるから追加注文もしやすい」「ウェイティングシステムがあるとスムーズに入れるので、順番待ちのストレスが解消される」との声があがる
実は大きい「心理的メリット」
利用者の声では「自分のペースで注文できる」という心理的メリットを評価する声が多く見られました。
- 店員を呼ぶタイミングが難しい
- 注文を急かされるのが苦手
- アレルギー表示などをじっくり見たい
こうした“飲食店特有のストレス”を解消できる点が、セルフオーダーが支持される大きな理由となっています。
セルフオーダーは「効率化ツール」ではなく「満足度向上ツール」へ
セルフオーダーは導入初期、
“省人化するためのDXツール” として捉えられがちでした。
しかし現在は、
顧客体験向上のためのマーケティングツール
という位置づけへと変化しています。
- メニュー写真を改善すると注文率が上がる
- おすすめ表示で客単価が向上する
- 多言語対応でインバウンド満足度が向上する
このように “使い方次第で売上に直結する” 点こそ、近年のフードサービスDXの潮流です。
フードサービスDXの未来と導入成功の鍵
ここからは、先ほどの調査分析を踏まえ、いっそう踏み込んだ 実践的なDXの方向性 を解説します。
世代別ニーズが示す「UI/UX」の重要度
セルフオーダーは単なる「端末」ではありません。
顧客が“商品を選ぶ体験そのもの”をデザインするツールです。
- 若年層:速度・視認性・直感操作
- 高齢層:丁寧な誘導・大きなボタン・安心感
を求めます。そのため UI/UX の最適化は売上を左右する重要要素です。
導入を成功させるための3つのポイント
取り入れるだけでは効果は出ません。成功店は例外なく、以下の点を押さえています。
- 店舗動線にあわせた配置設計
席数・レイアウトにより、端末数は最適化される必要があります。
- スタッフを巻き込んだ運用構築
「DXによる業務効率化」が、スタッフの接客サービスの向上につながるよう教育することが重要です。
- データ分析によるPDCA
どのボタンが押されないか、離脱がどこで発生するかを分析し改善します。
デジタルで可視化された情報が、
“最強の改善素材” になるのです。
フードサービスDXの本質
フードサービスDXの本質は「無人化」ではありません。
“人がやるべき仕事”と“機械に任せる仕事”を再定義すること” にあります。
- 挨拶・目配り・気配り・活気・接客・調理・バッシング → 人が行う
- 空席案内・販促・注文・エンタメ・配膳・会計(セルフレジ) → デジタルが行う
この役割分担が整うことで、顧客満足と効率の両方が実現します。
今回の調査(RJCリサーチ)からの示唆
セルフオーダーは、
「飲食店の未来を支える基盤となるDXツール」 へと進化しています。
今回の調査が示したのは、
- 利用経験はすでに9割超
- 世代ごとに重視ポイントが異なる
- 満足度と効率化が同時に実現する
という、フードサービスDXにおける重要な示唆です。
また今後、飲食店が成長するためには
“顧客理解 × デジタル運用 × 改善サイクル” が欠かせません。
セルフオーダー導入を成功させる「戦略的DX」の要点
現在、消費者の約9割がセルフオーダーを経験しており、飲食店においてシステムの導入は「不可避な潮流」となっています。しかし、単なる導入だけでは不十分です。
1.成功への重要指標:個別ニーズへの最適化
世代や利用シーンにより、「非接触の安心感」を求める層から「操作の簡便さ」を重視する層まで、ニーズは多岐にわたります。「誰が・どのように・何を」注文するのかを徹底的に分析した設計が、顧客満足度と業務効率を左右します。
2. 経営層が取り組むべき2つのステップ
-
STEP1
データに基づく方式選定
自店舗のメイン顧客層を整理し、タブレット式・QRコード式など、最適なシステムを慎重に選定する。
-
STEP2
「技術」と「接客」の融合
セルフオーダーで効率化した時間を、人による付加価値(おもてなし)に再配置し、次世代型の店舗運営を構築する。
まとめ
セルフオーダーは単なる省人化ツールではなく、「顧客体験の質」を向上させるための戦略的投資です。自社に最適な設計と運用の見直しが、未来の競争力を生みます。この記事が、セルフオーダー導入を検討される店舗さまの参考になれば幸いです。
- 監修
-
フードサービスDXディビジョン
営業ユニット
シニアマネージャー
牟田口 周作