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2025.10.02

  • コラム

防犯カメラだけではない、実効果が見込める万引き対策

万引き防止・抑止・犯罪防止の最新手法

  1. なぜ万引き対策が必要なのか
  2. 従来の防犯カメラの限界
  3. 万引きの心理的背景
  4. 新しい万引き対策の方向性
  5. 他の万引き対策との比較
  6. 防犯ツール導入のポイント
  7. FAQ(よくある質問)|万引き抑止サイネージ「見てるゾウ」について
  8. まとめ

近年、万引きは店舗運営における深刻な損失要因として注目されており、その対策は「カメラを設置する」だけでは十分とは言えません。最新の万引き抑止ソリューションは、心理的効果を高め、現場の負担を減らしながら、犯罪防止に直結する実効性を発揮しています。この記事では、防犯カメラに依存する従来型対策と、新しい万引き対策の違いを整理し、製品事例・導入効果・比較ポイントを解説します。

なぜ万引き対策が必要なのか

日本における万引き被害の現状

警察庁や流通団体の調査によると、日本の小売業における万引き被害は年間数千億円規模にのぼると推計されています。特にコンビニ、ドラッグストア、スーパーなど単価の低い商品を扱う店舗では、1件あたりの被害額は小さくても累積で莫大な損失となります。

現場スタッフの負担

カメラを導入しても「証拠記録はできるが抑止力は限定的」という課題が残り、スタッフが監視に気を取られて接客品質が下がるケースもあります。つまり「見ているだけ」では不十分なのです。

従来の防犯カメラの限界

抑止効果はあるが限界も

防犯カメラは「監視されている」という意識を与えますが、常習犯はカメラの存在に慣れ、記録されてもすぐに逃げれば大きなリスクはないと考える傾向があります。録画は事後証拠にはなりますが、盗みの瞬間を止める力は限定的です。

店舗運営上の課題

  • 記録映像をチェックする労力がかかる
  • 死角が発生しやすい
  • リアルタイム抑止は難しい

万引きの心理的背景

1.衝動性と「バレないだろう」という軽視

多くの万引きは計画的というより衝動的な行動であることが少なくありません。

  • 「小さなものだから大丈夫」
  • 「どうせ店にはたくさん在庫がある」
  • 「一度くらいなら見つからない」

このような軽視や楽観が、行動を後押しします。特に若年層においては、仲間内でのノリや軽い気持ちが動機となるケースも見られます。

2. 常習化と「スリル依存」

一度成功すると、「捕まらなかった」という経験が成功体験となり、繰り返し行為に及ぶ人もいます。これが常習化です。
常習犯にとっては「商品が欲しい」よりもスリルや達成感が動機となることがあり、抑止には「監視の強化」だけでなく、心理的圧力を持続的に与える仕組みが必要です。

3.経済的困窮や環境要因

一部では生活困窮が動機となることもあります。経済的に厳しい状況や、家庭・学校でのストレス、社会的孤立などが背景にあると、万引きに走るリスクが高まります。
この場合は店舗対策だけでなく、地域や行政による福祉的な支援も重要です。

4. 認知の歪み(自己正当化)

万引きをする人は「これは悪いことではない」と自分を正当化する心理が働きます。

  • 「お店は儲かっているから少しぐらい大丈夫」
  • 「高額な商品を盗むわけじゃない」
  • 「これは借りているだけ」

こうした認知の歪みが、罪悪感を薄れさせ、再犯を助長します。

5. 社会的影響

万引きは「周囲に見られている」と感じると抑制されやすいという研究結果があります。逆に、「誰も見ていない」「監視が弱い」と感じると行動に移りやすくなります。

心理に基づいた抑止の重要性

万引きは単なる「モノを盗む行為」ではなく、衝動・常習・経済的要因・認知の歪みなど複合的な心理が絡んでいます。
そのため、単に「証拠を残す」カメラだけでなく、心理的に働きかける仕組みが効果的です。「見られている」「注目されている」という環境づくりは、万引き行動を未然に防ぐ実効的な手段となります。

新しい万引き対策の方向性

心理的抑止を重視

万引き防止は「捕える」より「思いとどまらせる」ことが重要。そのため、ディスプレイ型ソリューション、万引き抑止サイネージが注目されています。

当社ソリューションPR|万引き抑止サイネージ「見てるゾウ」

当社が開発した万引き抑止サイネージ「見てるゾウ」は、防犯カメラと異なるアプローチを採用しています。

  • ディスプレイ一体型:内蔵カメラが映している映像をその場のモニター画面にリアルタイム再生します。
  • 心理的プレッシャー:来店客から見える位置に本機を設置することで、「犯罪・トラブルの抑止効果」を狙います。
  • 柔軟な設置:コンセントに電源プラグをつなぎ、電源を入れるだけで使えます。
  • ランニングコスト不要:「抑止」を主目的としたスタンドアローンなので通信費などのランニングは発生しません。
  • 画面タッチ操作で設定:発生する音声、文字、撮影モード等を変更できます。
  • 証拠保全機能:USBメモリを使って撮影データを取り出せます。

他の万引き対策との比較

主な対策手法としては、以下が挙げられますが、それぞれメリット、デメリットがあります。

対策手法メリットデメリット
防犯カメラ記録・証拠保全、一定の抑止力常習犯に慣れられる、リアルタイム抑止は困難、設置工事、費用感
警備員配置即時対応可能、強い威圧力人件費負担、接客雰囲気を損なう、
ゲートセンサー商品持ち出し検知が可能誤検知リスク、出口以外では無効、費用感
万引き抑止サイネージ心理的抑止が強い、工事不要で導入容易、雰囲気を壊さない、費用感電源や設置環境が必要

接客との両立

警備員による監視は顧客体験を損なう恐れがありました。しかし防犯カメラやゲートセンサー、万引き抑止サイネージなどのIoTツールを活用すれば、導入コストはかかりますが、不快感なく抑止効果を発揮できます。

防犯ツール導入のポイント

高い効果をあげるためには、それぞれの設置のみで完結させるのではなく、次のポイントを実践することも鍵となります。

  1. 設置場所工夫:死角や高リスク棚を優先配置
  2. スタッフ教育:声かけや接客スキル強化と並行
  3. 複合運用:カメラ・ゲートと併用し多層防御を実現

FAQ(よくある質問)|万引き抑止サイネージ「見てるゾウ」について

防犯カメラと何が違いますか?

防犯カメラは事後証拠ですが、万引き抑止サイネージ「見てるゾウ」はその場で心理的抑止を与え、万引きそのもの発生をおさえる効果を期待できる点、つまり、事後対処型の防犯カメラに対して、行動抑止型のAIサイネージという点が大きな違いです。また導入コストや設置の容易さも違います。

どのくらい効果がありますか?

効果は店舗の業種や立地、設置場所によって異なります。数値は非公開でしたが、テスト店数店で導入後、全店導入したチェーン店の実績があります。ほか、数値の共有をいただいた小売店舗では4ヶ月目で投資回収ができた試算事例があります。なお、従来手法も併用するとより効果が高まります。

導入コストは?

万引き抑止サイネージは、防犯カメラやゲート、警備員配置に比べて初期費用・運用コストともに大幅に抑えられる傾向があります。導入検討時には「抑止効果による損失削減」と「費用対効果(ROI)」を合わせて試算するのが推奨です。

設置条件は?

電源があればOK。什器やレジ横にも設置可能です。

小規模店舗でも導入可能ですか?

はい。工事不要で狭いスペースにも設置可能です。

まとめ

防犯カメラは有効な手段のひとつですが、それだけでは万引き防止・抑止・犯罪防止の実効性は不十分です。心理的に「見られている」「盗む気持ちを起こさせない」その場でダイレクトに意識させる新しいソリューション「万引き抑止サイネージ」は、顧客体験を損なわずに効果を発揮します。

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