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2025.06.30

  • コラム

BPO業務完全ガイド|種類、事例、成功のポイントを徹底解説

  1. BPO業務の全体像
  2. 主要なBPO業務:詳細解説
  3. BPO業務を成功させるためのポイント
  4. BPO業務の将来展望
  5. よくある質問(FAQ)
  6. まとめ

BPO業務の全体像

BPOの定義と目的

BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)とは、企業が自社の業務プロセスの一部または全部を外部の専門業者に委託することです。BPOの目的は、コスト削減、業務効率化、コア業務への集中、専門知識の活用など様々です。 

「業務の外部委託」という点でBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)とアウトソーシングは似ているように見えますが、実際にはその目的や委託の範囲に大きな違いがあります。 

まず、アウトソーシングは業務の一部のみを外部へ依頼するケースが多いのに対し、BPOでは関連する業務プロセス全体を丸ごと専門業者に任せます。たとえば、カスタマーサポート業務を考えた場合、アウトソーシングでは電話対応だけを委託するのに対し、BPOではコールセンター機能そのものを、運用から改善提案まで含めて外部に委ねるイメージです。 

また、BPOには「長期的・継続的な委託」を前提とする性質があり、一時的な委託に留まりがちなアウトソーシングとは異なります。ただし、BPOであっても短期間のプロジェクトに適用されることもあるため、運用形態によって変わることもあります。 

最も大きな違いは、取り組みの「目的」にあります。BPOは単なる外注ではなく、「業務プロセスの最適化」や「業務改革」を通じて、企業の生産性を高め、戦略的な成長を支えるための手段です。一方、アウトソーシングは人手不足やコスト削減といった目先の課題解消が目的となることが多く、より限定的です。 

つまり、BPOはノンコア業務を専門家に任せることで、社内のリソースを本来注力すべきコア業務に集中させるという、企業戦略の一環として活用されるのが一般的です。そのため、外部委託という行為自体がゴールではなく、企業の成長やイノベーションを実現するための「手段」であるという視点が求められます。 

 

項目

BPO

(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)

アウトソーシング
アウトソーシング業務プロセス全体を包括的に委託特定業務の一部分のみを委託
委託範囲 業務の最適化、業務改善、コア業務への集中 一時的なリソース補填、コスト削減が中心
目的 中長期的で継続的な契約が前提単発・短期契約が多い
期間・契約形態 経営戦略に基づく導入現場対応レベルの課題解決が中心
戦略性業務の可視化・標準化・改善提案も含まれるノウハウの蓄積・改善提案は限定的

ノウハウ活用

例(コールセンター業務)

電話対応からFAQ構築・人材管理・レポート分析まで一括委託 電話応対業務の一部のみを委託

BPO業務の種類:機能別分類

BPO業務は、機能別に分類することができます。 

  • バックオフィス業務:経理、人事、総務など 
  • カスタマーサービス業務:コールセンター、ヘルプデスクなど 
  • IT関連業務:システム運用、開発など 
  • サプライチェーン業務:調達、物流、在庫管理など 
  • マーケティング業務:デジタルマーケティング、コンテンツ制作など

 

BPO業務のトレンド:最新動向

BPO業務の最新トレンドとして、AI(人工知能)やRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の活用が挙げられます。AIやRPAを活用することで、業務プロセスの自動化や効率化が実現し、BPOの価値が高まっています。また、クラウド化の加速やグローバルBPOの拡大も注目されています。

 

主要なBPO業務:詳細解説

バックオフィス業務:経理、人事、総務

バックオフィス業務は、企業活動を支える重要な業務です。しかし、これらの業務は、コア業務に比べて収益に直接貢献するわけではないため、BPOの対象となることが多いです。 

 

経理BPO:会計処理、税務申告

経理BPOでは、会計処理、税務申告、財務分析などの業務を委託します。専門的な知識やスキルが必要な業務であるため、BPOのメリットが大きいです。 

 

人事BPO:採用、労務管理、給与計算

人事BPOでは、採用、労務管理、給与計算、人材育成などの業務を委託します。法改正への対応や、従業員の多様化への対応など、専門的な知識やスキルが必要な業務であるため、BPOのメリットが大きいです。 

 

総務BPO:オフィス管理、備品管理

総務BPOでは、オフィス管理、備品管理、福利厚生、社内イベントなどの業務を委託します。煩雑な業務を外部に委託することで、従業員の負担を軽減し、コア業務に集中させることができます。 

カスタマーサービス業務:コールセンター、ヘルプデスク

カスタマーサービス業務は、顧客満足度を向上させるために重要な業務です。しかし、24時間365日の対応が必要となる場合もあり、人的コストがかかるため、BPOの対象となることが多いです。 

 

コールセンターBPO:顧客対応、問い合わせ対応

コールセンターBPOでは、顧客からの電話やメールによる問い合わせ対応、クレーム対応、テクニカルサポートなどの業務を委託します。専門的な知識やスキルが必要な業務であるため、BPOのメリットが大きいです。 

 

ヘルプデスクBPO:社内ITサポート

ヘルプデスクBPOでは、社内ITに関する問い合わせ対応、トラブルシューティング、PC設定、ネットワーク管理などの業務を委託します。専門的な知識やスキルが必要な業務であるため、BPOのメリットが大きいです。 

 

IT関連業務:システム運用、開発

IT関連業務は、企業活動を支える基盤となる業務です。しかし、専門的な知識やスキルが必要となるため、人材不足に悩む企業も多く、BPOの対象となることが多いです。 

 

システム運用BPO:サーバー管理、ネットワーク管理

システム運用BPOでは、サーバー管理、ネットワーク管理、データベース管理、セキュリティ対策などの業務を委託します。専門的な知識やスキルが必要な業務であるため、BPOのメリットが大きいです。 

 

システム開発BPO:アプリ開発、Webサイト制作

システム開発BPOでは、アプリ開発、Webサイト制作、システム構築、システム改修などの業務を委託します。専門的な知識やスキルが必要な業務であるため、BPOのメリットが大きいです。 

 

サプライチェーン業務:調達、物流、在庫管理

サプライチェーン業務は、製品の製造から販売までの一連の流れを管理する業務です。効率的なサプライチェーンの構築は、コスト削減やリードタイム短縮につながるため、BPOの対象となることが多いです。 

 

調達BPO:資材調達、サプライヤー管理

調達BPOでは、資材調達、サプライヤー管理、価格交渉、品質管理などの業務を委託します。専門的な知識やスキルが必要な業務であるため、BPOのメリットが大きいです。 

 

物流BPO:輸配送、倉庫管理

物流BPOでは、輸配送、倉庫管理、在庫管理、通関手続きなどの業務を委託します。効率的な物流体制の構築は、コスト削減やリードタイム短縮につながるため、BPOのメリットが大きいです。 

 

在庫管理BPO:在庫最適化、需要予測

在庫管理BPOでは、在庫最適化、需要予測、発注管理、廃棄管理などの業務を委託します。適切な在庫管理は、過剰在庫や品切れを防ぎ、コスト削減や顧客満足度向上につながるため、BPOのメリットが大きいです。 

 

マーケティング業務:デジタルマーケティング、コンテンツ制作

マーケティング業務は、顧客獲得や売上向上に貢献する重要な業務です。しかし、専門的な知識やスキルが必要となるため、人材不足に悩む企業も多く、BPOの対象となることが多いです。 

 

デジタルマーケティングBPO:SEO、SEM、SNS運用

デジタルマーケティングBPOでは、SEO(検索エンジン最適化)、SEM(検索エンジンマーケティング)、SNS運用、Web広告運用などの業務を委託します。専門的な知識やスキルが必要な業務であるため、BPOのメリットが大きいです。 

 

コンテンツ制作BPO:記事作成、動画制作

コンテンツ制作BPOでは、記事作成、動画制作、インフォグラフィック制作、ホワイトペーパー制作などの業務を委託します。質の高いコンテンツ制作は、顧客エンゲージメントを高め、ブランドイメージ向上につながるため、BPOのメリットが大きいです。 

 

BPO業務を成功させるためのポイント

  1. POINT1

    明確な目標設定とKPI

    BPO導入を成功させるためには、明確な目標設定とKPI(重要業績評価指標)の設定が不可欠です。どのような成果を期待するのか、どのような課題を解決したいのかを明確にし、KPIを設定して効果測定を行います。

  1. POINT2

    適切な委託先の選定

    BPO導入の成否は、適切な委託先を選定できるかどうかにかかっています。実績、専門性、価格、コミュニケーション能力などを総合的に評価し、自社のニーズに最適な委託先を選定します。

  1. POINT3

    契約内容の明確化

    委託先との契約内容を明確化することは、トラブルを未然に防ぐために重要です。サービス内容、品質、責任範囲、価格、契約期間などを詳細に明記し、SLA(サービスレベル合意)を設定してサービスレベルを保証することも重要です。

  1. POINT4

    コミュニケーションの徹底

    委託先とのコミュニケーションを徹底することも、BPO導入を成功させるための重要なポイントです。定期的な会議や進捗報告、問題発生時の迅速な対応などを通じて、委託先との信頼関係を築きます。

  1. POINT5

    継続的な見直しと改善

    BPO導入後も、継続的な見直しと改善が必要です。KPIを定期的に測定し、効果を評価します。業務プロセスや契約内容を見直し、より効率的な運用を目指します。

BPO業務の将来展望

AI、RPAの活用

AI(人工知能)やRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の活用は、BPO業務の効率化をさらに加速させるでしょう。AIやRPAを活用することで、これまで人間が行ってきた業務を自動化し、コスト削減や生産性向上を実現することができます。

 

クラウド化の加速

クラウド化の加速も、BPO業務の将来を大きく左右するでしょう。クラウドサービスを活用することで、場所や時間にとらわれずに業務を行うことが可能になり、柔軟な働き方を実現することができます。 

 

海外BPOの拡大

グローバルBPOの拡大も、BPO業務の将来を語る上で欠かせません。海外のBPO事業者に業務を委託することで、コスト削減や海外市場への参入を容易にすることができます。 

 

よくある質問(FAQ)

BPOで委託できる業務にはどのようなものがありますか? 

バックオフィス、カスタマーサービス、IT関連、サプライチェーン、マーケティングなど、多岐にわたります。

BPO導入を成功させるためのポイントは何ですか?

明確な目標設定、適切な委託先の選定、契約内容の明確化、コミュニケーションの徹底、継続的な見直しと改善が重要です。

BPOの将来展望はどうなっていますか? 

AI、RPAの活用、クラウド化の加速、グローバルBPOの拡大が期待されています。 

まとめ

BPOは、企業が競争力を高め、成長を続けるための強力なツールです。この記事で解説した様々なBPO業務の種類、導入事例、成功のポイントを参考に、自社に最適なBPO戦略を立て、BPO導入を成功させましょう。 

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