
COLUMN / CASEコラム・導入事例
依頼前に確認したい!OEM・ODMのためのチェックリスト
サイネージなどの機器のOEM・ODMを検討する企業向け
OEM・ODMを活用することで、自社ブランドの製品をスピーディかつ効率的に市場へ投入できます。しかし、「発注すればあとはお任せ」でうまくいくわけではありません。特に、仕様のすり合わせや契約内容、品質・スケジュール管理の不備がトラブルの原因になりがちです。
以下のチェックリストを活用すれば、依頼前に必要な準備が整っているか、相手先との連携体制に抜け漏れがないかをしっかり確認できます。
OEM・ODM依頼時のチェックリスト
✅ 製品仕様の明確化(寸法・重量・表示方式・端子構成・対応言語など、具体的に定義しているか? )
✅ 目的の明確化 (コスト削減、独自性確保、短納期対応など、依頼の狙いが明文化されているか?)
✅ 参考製品・ベンチマークの提示 (似た構成の製品や競合の実例を事前に共有しているか?)
✅ 契約の準備 (NDA(秘密保持契約)やOEM/ODM契約書の雛形を用意しているか?知財や設計権の取り決めは済んでいるか? )
✅ 試作・量産のフロー共有(試作回数、承認手順、評価基準などのフローを事前に明確にしているか?)
✅ 品質基準の設定(不良率の基準、検査方法、製品保証の条件について合意しているか?)
✅ コスト構造の理解(単価だけでなく、開発費・金型費・MOQ(最小発注数)などの内訳を把握しているか?)
✅ スケジュールの擦り合わせ(試作→評価→量産→納品までの全体工程が確認・合意されているか?)
✅ アフター対応・保守体制(不具合発生時の対応窓口や交換対応のルールが決められているか?)
✅ コミュニケーション体制(担当者、使用言語、会議頻度、やり取りの手段(メール・チャット)などが決まっているか?)
補足ポイント:ODMでは特に「設計権の帰属」に注意
ODMで注意すべきは、「誰が設計の権利を持つか」です。依頼側が設計を所有できるのか、あるいはメーカーの資産として扱うのかは、後の派生製品開発や他社展開に影響を及ぼします。契約書に必ず明記しましょう。
実務者向けアドバイス
- OEMでも「ブランド表記位置」「梱包仕様」の細部まで事前確認すること。
- 試作段階で実物モックアップ(または3Dレンダリング)の共有を求めましょう。
- 海外パートナーとのやり取りでは定例オンライン会議とチャットグループの併用が有効です。
まとめ:準備8割、実行2割がOEM・ODM成功の鍵
OEM・ODMを成功させる最大のコツは、依頼する前の準備と相互理解にあります。特に、製品イメージ・品質基準・スケジュール・契約内容の4点が曖昧なまま進むと、後戻りのコストは非常に大きくなります。
今回のチェックリストをもとに、依頼前の社内整理と、依頼先との合意形成をしっかり行いましょう。